仕事

つくし寿司の仕事

酢飯

炊きたて、生きている酢飯。

つくし寿司で最も大切なのは酢飯です。

米は、浅草・船久保商店にその年の米の状態を見てもらい、つくし寿司の酢飯に合うものを毎年選びます。銘柄を固定せず、古米は使いません。

0℃の氷水で前日から浸水し、土鍋で炊く。粒の輪郭を残しながら、中はふっくらと仕上げます。

炊き上がった米を移す手元
火にかけた土鍋
土鍋で炊き上がった米

味の角を取るために。

酢はミツカン「白菊」。塩は土佐の海の天日塩「あまみ」。砂糖は「種子島産 賞味糖」を使います。

砂糖は甘くするためではなく、味の角を取るために、ごくわずか。

炊き上がった米に酢を合わせる手元
酢飯を扱う手元

その瞬間の酢飯と、魚を一つに。

酢飯は炊き上がってからも変化します。最初は酸味と塩味が立ち、少しふくらみのある状態。そこから蒸気が抜け、少しずつ締まり、味も馴染んでいきます。

酢飯の粒の表情

その変化に合わせて、寿司種も変えます。鮪、小肌、烏賊、春子、白身の順を軸に、仕入れに合わせて組み立てます。

魚に酢飯を合わせるというより、その瞬間の酢飯と魚を一つの鮨にする。それが、つくし寿司の考え方です。

酢飯と鮪を握る手元
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魚

江戸前鮨は、塩で仕事をする。

鮮度のいい魚を使うことは大前提。その日の魚を見て、触れて、状態を感じる。塩の量も、当てる時間も、魚に合わせて変えていきます。

魚に塩を当てる仕事

鮪

長年付き合いのあるやま幸から、基本的には近海の本鮪を仕入れます。鮮度を優先し、基本的に毎日仕入れます。

主に使うのは突先。筋を丁寧に剥がし、つくし寿司の酢飯に合うように仕立てます。

鮪の筋を外す手元
仕立てた鮪
鮪の握り

小肌

その日の一番いいものを使います。新子からナカズミまで、サイズは固定しません。魚の大きさと状態を見て、塩と酢の当て方を変えます。

直接塩を当て、酢が馴染むまで時間を置いてから使います。

小肌の握り

春子

ふわっとした身質を残すことを大切にします。塩はごく短く。皮目には昆布酢を薄く当て、皮を柔らかくし、酢飯と馴染むように仕立てます。

醤油ではなく、塩と酢橘で仕上げる。中には少量の柚子を香らせます。

春子の握り

白身

淡路・明石の活けの真鯛、平目、鰈などを使います。その日に捌き、塩を当て、一日寝かせる。鮨にするために身を落ち着かせます。

皮を残した握り
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鯵

塩を当て、提供前に酢へさっとくぐらせます。寝かせません。

細いふぐ葱を包丁で丁寧に小口切りにし、山葵とともに中へ。上から生姜の搾り汁を数滴。薬味を細かく叩き込むことはしません。

鯵の握り
葱を小口に切る手元

鰯

小骨を一本ずつ丁寧に抜いてから塩を当てます。酢は提供前にさっとくぐらせる程度。締めすぎると身がぼそつくため、鮮度を残します。

鰯の握り

真鯖

基本は淡路の活け鯖。塩でしっかり脱水し、酢は短時間。薬味は基本的に使いません。

皮と身の断面が見える握り
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貝

香りを残す仕事と、香りを抜く仕事。

赤貝

握る直前に塩で磨き、磨いた瞬間に立つ香りをそのまま生かします。

橙色の貝の握り
貝を仕立てる手元

北寄貝・みる貝

仕込みの段階で塩で磨き、一日置きます。強い香りを落ち着かせ、甘みと旨味を残します。

北寄貝を殻から外す手元
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煮る仕事

穴子

最も大切な仕事の一つです。活きた穴子を締めて捌き、昆布水、酒、砂糖、醤油で柔らかく炊きます。

穴子を炊く鍋
煮汁に火を入れる穴子

一度冷やして骨を抜き、握る前に炭で焼く。熱いまま握ります。

焼き目をつけた握り

煮蛤

100℃でしっかり火を入れ、歯切れを出します。火入れ後は、蛤の出汁、酒、味醂、砂糖、醤油を使った地に漬け込み、味を含ませます。

煮た貝の握り

蛸

淡路の真蛸。ほんのり歯ごたえを残しながら柔らかく。皮目をどこまで美しく残せるかを大切にします。

鮑

蒸し鮑には圧力を使い、120℃前後の高温環境で火を入れます。低温で柔らかくするだけではなく、鮑の香りをしっかり引き出し、歯切れの良さを残します。

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山葵

静岡・有東木。江戸時代から続くわさび農家の本わさびを使います。

純銅のおろし金でおろし、香り、辛味、奥にある甘みまで引き出します。

山葵をおろす手元
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海苔

東京・大森、久保井海苔店。有明産一番刈りの黒海苔。

焼海苔ではなく乾海苔を仕入れ、店で炭火にかけて、焼きたての焼海苔にします。焼きたての香りと歯切れを大切にします。

海苔を巻く手元
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煮切り

白と紫、二種類の煮切り。

酒、味醂、天然真昆布で味をまとめます。白の煮切りを中心に、鯵、鰯などの青魚には紫の煮切りを使います。

刷毛で握りを仕上げる手元
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塩

昔ながらの製法で丁寧につくられた、土佐の海の天日塩「あまみ」を使います。

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玉子

卵、芝海老、「種子島産 賞味糖」。基本、この三つだけ。余計なものを足しません。

卵を合わせる仕込み

カステラ玉子ではなく、しっとりした玉子焼きに仕上げます。締めの一品というより、店の技量が出るものです。

玉子液を焼き鍋へ注ぐ
玉子に火を入れる仕事
角型の焼き鍋で玉子に火を入れる
切り分けた玉子焼き

玉子には、江戸前鮨の粋が詰まっている。

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